旧・音気楽ブログ

HORGELの運命はいかに・・・

一週間のご無沙汰です。
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「HORGEL」ピアノの修理が終わり、ふたたび「素敵なお宅」へ行ってまいりました。

この写真のように中身(アクション)がない状態で待っていてくれました。

先ず、中のお掃除。
鍵盤を全部外して・・・ウヲー!なんというほこり!積もっている。
何十年分のつみかさねでしょうか?
何かここまで来ると、ほこりにすら敬意を表したくなる。唸りを上げる。

通常の3倍の時間を要して掃除終了。あースッキリ!!


鍵盤がスムースに動くように調整をして元に戻す。
切れていた弦を張る。
そしていよいよ修理したアクションを戻す。

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鍵盤に指を置き、最初の一音を・・・
緊張の瞬間。
「でたー」・・・何が?
きれいな音が「ポロン」と・・・
次も次もよどみなく音が続いていく。
調律が狂っていて曲の演奏には耐えられないが、明らかにピアノの本来の音がよみがえる。

「まーーーー・・・」というため息交じりのお声が後ろから聞こえた。
「このピアノの音を始めて聞きました!」とも。

何十年も調律していないピアノは
音程がありません。
行方不明?

まず、基準の「ラ」の音を追っていきますと
何と3度、4度近く下がっていて、私の耳がどうかしちゃった?というくらい・・・。
一回の調律ではどうにもなりません。
急に音律を上げるとピアノさんもびっくりしてしまいますので、少しずつテンションを上げて都合5回の調律でようやく普通の音程になった。汗びっしょ!

椅子を引き寄せ、一呼吸置いて両手を鍵盤に載せる。
時代考証?をして「バッハ平均律第一番」を・・・イヤーうつくしい!
続いて私の18番「星に願いを」!

大手術を終え漸く歩き始めた感じ。
まだまだリハビリが必要ですが、時間をかけて付き合っていこうと心を新たにいたしました。
私と同い年のピアノ。
残された時間を一緒に歩んでいこうと思います。