旧・音気楽ブログ

飾らざるを得ない生き物

自然は飾らない。というのは実は嘘で、動物も植物も其々工夫を凝らして飾っている。鳥類のオスが美しいのはメスの気を引こうとしているからであり、花々があらゆる色に咲き乱れるのは、昆虫をおびき寄せるためであるということだ。どちらも種の存続のそのために「飾る」事が必要になったわけで、人間の場合はというと?

主の存続のために女性は飾るのか?男をおびき寄せて種を搾取する!。人間も生き物の一種と考えると確かにそうなるのかもしれない。それこそ色とりどりに咲き乱れる女に昆虫のごとく男が群れ集まる。あるいは女を引き付けるために、男は筋肉を鍛え強さという美学を誇示するのかもしれない。

がしかし、動物や植物はそこまでである。種の存続が目的であってそれ以外の物はない。結果子孫が繁栄できれば彼らの飾る目的は終わるのである。さて、そこからが動植物と人間の違いが歴然としてくるわけで、人間のその飾るという目的は延々と永遠に続いていくのである。何のために?その答えは「自分のために」である。女も男も自分を飾らないと生きていけないのである。女は化粧と衣装で、男は見栄と肩書きで!

植物も動物も本来、飾らなくても美しい姿を神から与えられた。人間も元々は美しかったのかもしれない。しかしあまりにも心がよごれ、汚れきってそれを隠すことができなくなった。心の汚れが全部表面ににじみ出てしまった。その姿は醜く異臭まで放つようになった。それを隠すために人間は「飾る」のである。正体を見破られないようにますます飾るのである。本来の目的からおおきくはずれ、ますます飾るのである。化粧の上塗りのようでもはや救いようがない・・・。