旧・音気楽ブログ

自分と向き合えるもの

私の場合は、「ピアノ」です。しかもアップライト・ピアノ。何で?目の前に壁があるからです。壁が邪魔になるのではなく、壁がありがたい、うれしいんです。グランド・ピアノは向こうが見える。自分へのぶしつけな跳ね返りがない。フジコ・ヘミングさんが、ずっとBECHSTEINのアップライトでした。彼女の音楽表現は、聴衆を意識しない「自分との語らい」だと感じます。喜怒哀楽、葛藤をピアノにぶつける。するとアップライト・ピアノはまず、跳ね返してくる。何も消化されることなく、とにかく返す。痛い!グランドはどうかというと、とりあえず一度飲み込んでくれる。「ハイハイそうね・・・けどねそれはこうじゃないの?こうしたらどうなの?」みたいな、おおきさ?やさしさ?みたいなものを感じる。けど、本当に優しいのかというと、実はものすごく冷たいんです。次に、「お呼びでない」「でなおしてこい!」みたいな言葉が聞こえてくる。

その点、アップライトは一旦跳ね返して追いながら、どんな人でもどんな状況でも「まあなー」とか「ショウガナイジャン」みたいに言ってくれる。「いいよー」って相談に乗ってくれようとするんだよ。そこでなんか気が楽になって、心が開く!そこからありのままの「自分」が出せるようになるんだなー。

「自分と語らうこと」と「自分を表現する事」とのちがいか!語らうのだったら、アップライトをおすすめしますよ!弾いた事のない方もとりあえずピアノの前に座って見て下さい。何か感じるはずです。ご自分の部屋に1台、コンパクトな「Q☆PIANO」お勧めします。   http://Qpiano.jp