旧・音気楽ブログ

過剰・過激・過大の三拍子

これ一粒で**の**倍、装着するだけで**時間分の運動、**秒で時速100キロ到達等々。TV・ラジオ・しんぶん・ネット上に毎日繰り広げられる、信じられないような信じて欲しくなる、真実もインチキもごっちゃになって私たちの感性?に遠慮なくずけずけと入り込んでくる。

自然界は、ある「摂理」の中で成り立ちバランスをとってきたものであるはずが、尽きない欲望に満ちあふれたクソ人間どもが、それを無視し破壊しまくる。
健康に良い、と謳ったものは永遠の美と永遠の若さと命までをもを売りまくり、最高速度やあり得ない安全性や、虚偽に満ちた経済性で競い合う自動車業界。

そんな「過剰・過激・過大」の傾向が、なんとピアノ業界にも波及しており、今メーカーが躍起になっていることが、いかに「音量」を大きくするか・・・である。かの有名なショパンコンクール。大体5~6社からピアノが提供されるのであるが、最終的には各演奏者が自分の好みに合ったピアノを選択し、それで演奏するわけである。
選択の基準は其々のことと思われるが、当然演奏はホールで行われるのであって、いかにホールの隅々まで音が響き渡るか・・・が問題となってくる。従ってピアノそのものの絶対音量が問われることとなる。平たく言うと、小さな音ではだめなのである。音色・音質寄りも「音量」なのである。すると本来評価されるべきであったピアノの「表現力」が二の次になって、ただ「でかく鳴り響く!」が求められていく。

それは、まるで車が「最高速」を競い合っているようなもので、ピアノが本来求められている事柄から大きく外れていくのである。

「Q☆PIANO」に向かって見て下さい。本来のピアノの響きに気がついてくれるはずです。このくらいがちょうどいい!